機動戦士 ガンダムSoul
第5話『遠い背中(前編)』
今、僕達は...
電車を乗り継ぎ‘東京駅’に向かっている。
(もちろん顔が分からないよう変装をして)
隣に座っているメグミは、電車に乗ってから
数時間、何も喋らなかった。
しかし、東京駅に近付く頃、急に喋りだした。
『私達は、常に監視されてるから
不要な会話は避けたいけど、これだけは言っておくわ。
あなたのお母さんは、いま家には居ないから。』
溜息交じりにメグミは続けた。
『東京駅にいるのよ。』
『東京駅!?何の為に?』
『それは...行けば分かるわ。』
そうこうしてる内に電車は停車し
‘人ゴミ’と言うしかないほど
多くの人間が駅構内を行き来している。
高校に行くため、毎日使っていた’東京駅’
僕は少しだけ懐かしい気持ちになった...
『グズグズしないで。こっちよ。』
それだけ言うと、メグミは黙って歩き始める。
僕も何も言わずに付いて行く。
しばらく二人で歩いていると...
『ここまでが限界ね。あそこを見て。』
メグミは急に立ち止まると、そう言った。
言われた方を見ると
少し離れた駅の出口付近で
何かを配っている女性が目に入った。
それは紛れもなく、僕の母さんだった。
(後編 に続く)
総合リンク(完全版) ←どちらもリンクあり