第2話 『閉ざされた世界(後編)』
身体の自由がきかない。
いや、それどころか、まともに
息をする事さえ、僕は出来なかった。
『もう、そろそろ良いだろう。』
『世界を...開くぞ。』
リュウと言う男が、そう言うと同時に
―――元の世界に戻った!?
世界が元に戻り、僕はやっと安堵した。
と同時に、今まで疑問に思っていた事を
彼らに一気にぶつけた。
『何なんだ?ここは?
一体、何がどうなってるんだ!?』
『落ち着きやがれ。何が言いたいのか
わかんねぇだろ!』
とさっきの男は苛立ちながら言った。
『でも、混乱するのも無理ないわ。』
落ち着いた口調で、先程の少女が少しだけ微笑む。
二人は僕を落ち着かせると、ゆっくり話し始めた。
『とりあえず...さっきまでの灰色の世界を
俺達は‘閉ざされた世界’と呼んでいる。』
『閉ざされた世界?』
『そう。閉ざされた世界だ。
あの世界では、ソウルの‘適正’がある人間しか
動くことが出来ない。』
閉ざされた世界...それにソウルの適正!?
―――何だ。何を言ってるんだ。こいつは。
僕は、言葉の意味が全く理解できず、ひどく混乱していた。
すると、先程のメグミと呼ばれた少女が
優しく話しかけてくれた。
『少しずつ理解してくれれば良いのよ。マサキ。』
『何で、僕の名前を?』
少女は、クスクスと笑いながら
『まだ気がつかないの?
私はメグミ。藤原メグミよ。』
『藤原メグミ!?』
僕は驚いた。目の前に立っている少女が
幼馴染のメグミだったからじゃない。
僕の知っているメグミは―――
『...そんな事より』
リュウは、僕達の話を遮ると
『お前に‘パイロット適正’があるか試させてもらう。
いいな?メグミ。』
メグミは、少し戸惑いながらも
ええ、わかったわ。と答えた。
(第3話『覚 醒』 に続く)
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